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クラシック音楽から吹奏楽へのアレンジ 吹奏楽の話4

クラシック音楽から吹奏楽へのアレンジ 吹奏楽の話44 

吹奏楽のオーケストラからのアレンジについて。

すでにこの吹奏楽の話シリーズも、結構な回数を重ねてきて、原曲がオーケストラの曲を、吹奏楽曲にアレンジした作品についても、少なからず載せてきたように思う。

そんな中で、オーケストラによる原曲と、吹奏楽にアレンジした曲を、よくよく聴き比べてみた人はいるだろうか?

吹奏楽の記事は、外部にも公開してるんで、結構閲覧してくれてる人はいるみたいだけど、その中でもそういった突き詰めて音楽を理解しようとしてる人は、あんまりいないんじゃないかなと思う(笑)

今回ちょっと突っ込んで、そのアレンジについて話したい。
アレンジといっても様々な種類があるわけで、今回はクラシックオリジナルを、そのまま吹奏楽に落とし込むっていう観点から、話してみたいと思う。

その前に話は逸れるが、俺の作曲の原点なのだが、このアレンジってところから始まったように思う。

音楽なんてろくに知らない頃は、ただ聞いて感動してた。
そのうち、それだけじゃ満足できなくて、自分もこうした感動するような音楽を、作れないか?と考えた。

それから俺は誰にも詳しくは教わらず、独学でやってきてもうすぐ60歳まできた。
自分の音楽性や、作曲など楽譜を書く練習は、やはりこのオーケストラをピアノへアレンジしたり、オーケストラを吹奏楽にアレンジしたり、そうしたことから身についたものだと思う。

作曲を始めたのは12歳だったが、当然その頃オーケストラなんて作曲できるわけもなく、ひたすらピアノの音楽を書いたり、アレンジをしていた。

この他の楽器の曲をピアノに落とすという行為は、かなりオーケストラや、音楽そのものをを理解することができる。
それは深く語らなくても、わかってもらえると思う。

ちなみに歴代の作曲家はいろいろな作曲法を行っていたが、ピアノで下書きをして、オーケストラに移すという、基本的な方法が多かった。
絵画で言えば、デッサンから着色するみたいな。
そうした経緯を辿った方が、より鮮明な音楽像を作り出すことができると思う。

昨今は PC による楽譜作成など、その場で音を鳴らしてイメージを得ることができるので、こうした昔ながらの手法を取らない人もいる。

また話は少し脱線するが、オーケストラをピアノに落とした時に、オーケストラでは音が濁って聞こえなかった部分が、鮮明に聞こえてきたりする。
俺が鮮やかだなと思ったのは、ストラビンスキーの春の祭典をピアノ版で聞いた時だった。
これだけ複雑な和声が繰り広げられていたのかと、はっきり聞こえて来て、やはり天才は違うなと改めて思った。

また珍しいところでマーラーの第5交響曲を、マーラー自身がピアノに落として弾いている?録音を聞いたことがある。
マーラー自身の演奏した曲の録音は、1900年過ぎてから亡くなった割には、ほとんど残っていない。
古い時代のものだからピアノロールかなんかだと思うんだけど。

その時も思いのほか、変わった和声を取り入れてるもんだなと、オーケストラでは感じなかったものを、感じることができた。

そういうことで、そうした構成や和声を知るには、単音の楽器に落とし込むことが、俺としては、より勉強になったことだったのだと思っている。

それでオーケストラから吹奏楽へのアレンジの話に戻って、オーケストラと吹奏楽の違いっていうのは、弦楽器があるかないかということになるが、オーケストラの曲を吹奏楽にアレンジするとなると、その弦楽器の部分をどう他の楽器割り当てるかという話になる。

その前に、そのオーケストラからアレンジされた吹奏楽の音楽を聞いてみると、様々な感覚に陥ると思う。

ちょっと語弊を招くかもしれないけれど、これはあくまで俺の意見だが、弦楽器の表現力に、吹奏楽の表現力は追いつかないと思う。

吹奏楽吹奏楽で素晴らしいところがあるけれど、深い芸術性を探求するのであれば、弦楽器の音色から弦楽器の表現力といった、そういったものがクラシック音楽にはなくてはならない。

弦楽器だけの音楽を観賞してみても、それはちょっと聞けばすぐにわかることだ。

弦楽器にはたくさんの技術を必要とする。
オーケストラとしての使い方、ソロヴァイオリンの独自の奏法など、様々な学問的知識が必要になってくる。
何回も書いているが、だからこそクラシック音楽は学問の一つとなっている。

とりあえずそれで俺が言いたいのは、弦楽器を意識して作曲された楽曲を、吹奏楽に落としても、オリジナルの表現以上のものを表現することはできないと言いたい。

まず持ってして、本題の内容に入る前のずっと前段階の話になってしまったが、今回はこうしたことを話してみたかった。

本当に吹奏楽を愛してやまない人には、こうした言い方しかできない不器用さをお詫びしたいが、ただ俺も吹奏楽作曲家の一人であるということを(まあ自称だけど)、最後に言っておきたい(笑)


それで今回は吹奏楽曲ではなく、弦楽器にちなんだ、俺の作曲した、
弦楽オーケストラのためのコンソレーション第1番「Ubi caritas」を公開しますので、お聞きいただければと思います。

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