外国語 吹奏楽の話53
この前のスコアの話のところでちょっと触れたが、吹奏楽は特に移調楽器が大半。
なので音名の話のところでも少し話したが、実音と楽譜上の音の違いを、明確にしておくことが必要。
少しおさらいになる。
基本的に実音は、その楽器が鳴らしてる正確な音程。
それに対して楽譜に書かれている音はその楽器が鳴らしている移調された音程。
例えば F 管のホルンの話では、楽譜上に書かれた下第一線の、通常ドと呼ばれる音は、ホルンではドの音だけど、実音ではファの音になる。
こうなってくると何の音が正確な音程だか分からなくなるので、実音はドイツ語読みで言う。
楽譜に書かれている音をそのまま自分の楽器の音で言う時は、イタリア語のドレミファソラシドを使う。
ただドイツ語読みの場合はシのナチュラル音はハー(H)となり、シのフラットがベー(B)となる。
この辺が混乱を招く時もある。
例えば音階の名前は、英語読みでも表現されるが、その際は半音上げたり半音下げたりする時は、フラットやシャープを音名の脇につける。
だからシのフラットは B ♭となる。
英語読みのシは B だから、ドイツ語読みと混ざると、ちょっと混乱するかもしれない。
とかく楽曲解説などは、日本語読みで、調性を記されることが多い。
例えば交響曲xxニ短調とか。
日本語の音階は、ハニホヘトイロハだから、その辺も理解しておかねばならない。
つまり音階は、日本語、ドイツ語、イタリア語、英語と、最低4種類は理解していなければならないことになる。
そしてさらにスコアについてだが、スコアにおいても、様々な国の作曲家は、自分の国の言葉で、発想標語などを記載している場合がある。
ラヴェルなどは、もろフランス語で書かれてるので、慣れるまでに結構時間がかかる。
ところが音楽は、速度標語など基本的にイタリア語で書くならわしが残っていて、学校の授業なんかでも、イタリア語の速度標語で、例えばアレグロなど、習ったと思う。
自分の国の言葉と、こうしたイタリア語と複数スコアに書き込まれると、時々わけのわからない時がある(笑)
今はだいたい吹奏楽のスコアは、英語で書かれることが多くて、楽器の名前も英語で書かれるので、B♭となるから、こちらはわかりやすい。
ドイツ語で楽器の名前を書かれると、inBと表示されるので、それはシのフラットを意味していると、考えなければならない。
ちなみに矢代秋雄さんは、オーケストラのスコアはフランス語で書いていた。
スコアにおける外国語は、このように多種多様に飛んでるので、慣れるまでには非常に時間がかかると思う。
様々なスコアに目を通して、理解を深めていくしかないと思う。
もっともそれらの語学に堪能な方は別だが。