第1旋法による8声のカンツォン 音楽の話番外
光ヶ丘女子高校の演奏で、「第1旋法による8声のカンツォン」というのがyoutubeにあった。
これを聞いて、あまりにいい演奏だったので驚いた。
それでこれを載せておこうと思う。
古典的な作品で、作曲者のジョバンニ・ガブリエーリは、あんまり馴染みがなかった人だが、フィリップ・ジョーンズ・ブラスアンサンブルが取り上げて、一躍有名になったという話。
フィリップ・ジョーンズ・ブラスアンサンブルについては、吹奏楽やってた人ならわかると思う。
それで、この作品、ジョバンニ・ガブリエーリはネットによると1554年ー1612年の人だから、ルネッサンスとバロックの間を生きた。
作品はかなり緻密な構成で、隙間を様々な工夫を凝らして、楽器どうして補ってる作曲法で、これは多分、だいぶ後から手を入れてる部分があると思う。
昔の音楽ほど、またわかり辛いところがあるが、歴史的にも、昔の方が単純な構成が多く、その単純さの中に、音楽的な試みを多く入れてるから、わかり辛いのかもしれない。
リチェルカーレなどみたいに、確固たる形式が無い時代だから、その形式に当てはめようとすると、今の感覚からのズレを感じて、それが古典としてもっとも面白い部分だと俺は思う。
第1旋法とは、教会旋法でドリア音階を指す。
ドリア音階で有名なのが、グリーンスリーブスとか。
D音から始まる短調の音階は、H音が♭のB(B♭)となるのが、昔の音階はH音をそのまま使用。
だから、短調とも長調ともつかない、独特な雰囲気が生まれてる。
これも、古典音楽の美しい部分だと思う。
とにかく素晴らしい演奏だった。
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