矢代秋雄 ピアノ協奏曲
矢代秋雄さんはすでに亡くなっているが、邦人作曲家の様々な楽曲の中でも、特に現代音楽で有名だとしたら、おそらくこの曲がトップに上がるのではないだろうか?
クラシックファンだったら知らない人はいないと思う。
俺のこの曲に出会ったのは多分中学生の終わりの頃か。
大体現代音楽を聴き始まったのがその頃で、初めはさっぱり分からなかったけれど、とにかくひたすら聞くだけは聞いた。
聞いてるうちにこういう曲でもだんだん頭に入ってきて、口ずさめるぐらい覚える。
そうなってくると、今まで全く理解不能だったものが、突然目の前が開けるかのようにわかってくる。
こうした話は以前にも書いたので割愛する。
それで昔はよく題名のない音楽会を見ていた。
ちょうど矢代さんが亡くなられてすぐの頃で、司会の黛さんが懐かしみ、第2楽章のフレーズを聞いて涙ぐむシーンがあった。
俺はこの時、現代音楽というものがよくわからなかったから、どうしてこんな曲で泣けるのか?と、そっちの方が不思議でならなかった。
黛さんは矢代さんと親交があったから、そうした気持ちになったのはわかる。
今ではその現代音楽自体に、感動すると同時に感情移入するということも理解はできる。
本当に現代の現代音楽は、その時その時で形を変えるような、それこそ理解できないようなものが多いけれど、ロマン派から十二音音楽になって、そして最近までに至る無調性の音楽については、何百回も聞いてれば必ず理解できるようになる。
クラシックファンで、現代音楽をいまいち理解できないという人は、短い曲でいいから、徹底的に聞き込んで、覚えるまで聞いてみてほしい。
ここに一つのキーポイントを置いていく。
このキーポイントは、俺が目から鱗で、現代音楽を理解するきっかけになった言葉だった。
それは
「無調性音楽は、調性がないということではない」
という言葉。
様々な調性が入り乱れているものと考える。
矢代秋雄さんの話に戻るが、俺が買った矢代秋雄さんのピアノ協奏曲は、初演した中村紘子さんとの下りが書かれてた。
買ったのは高校生の時だったと思う。
最近そのレコードも家の物置から発見して、ちょっと聞いて感動した。
最近レコードが流行りらしいから(笑)