ブリブリの日常的な感じ

日常の自分を綴る

職場の怪談 2

職場の怪談シリーズの2回目。

前の話の補足だが、その1の勝手に扉が開く事務所は、2階が学習塾になっていて、中学受験を主にやってたようだが、受験に失敗し、自殺した子がいたとか…

それで今回はその会社の営業所が閉鎖になり、営業所勤めだったため、それに伴って俺も転職を決意し、同じ設計会社へ転職した。

以前の会社は設計部隊がたくさんいて、製造も行なっていたので、分担化されていた。
転職した会社は、設計しか扱ってなかったし、人数も少なくそれでいて発注量が多かったから、かなり残業を余儀なくされた。

当時、幽霊探知機なるものが流行っていて、ばけたんと呼ばれたりしていたが、ちょうど秋葉原に行った時に見つけて購入した。

同僚も欲しいというので、同僚のぶんも購入して、席も隣同士だったので、二つのばけたんが、PC の前にぶら下がってた。

このぼけたんたまに変な風に動作し、初期型のものは LED の光り方で幽霊の出現を教えてくれて、バージョンアップ型は LED の色で幽霊の存在を教えてくれた。

それが一人で残業しているときに限って光るんだよね…

その体験の中でも、一番強烈に覚えているのが、ある残業の時の、ちょうど深夜12時を回った辺りの事だった。

誰もいないオフィスなのに、勝手にコピー機が動き出した。
なんかやだなー… FAX かな?テストで勝手に動くのかな?とか色々考えたが、恐る恐るそれを見に行くも、出てきてるのは白紙だった。

俺が席に戻ろうとした時に、今度はガタンとコピー機の方から音がする。
何だろうと思いつつも、後ずさりして自分の席まで戻り、離れてコピー機の方をよくよく見てみると、なんとそこには何か得体の知れない、陽炎みたいなものがゆらゆらと浮かんでいる。
形はよく分からないんだけど、とにかく暑い日にアスファルトのところで見えるような、ゆらゆらした透明なものがふわふわと浮かんでいる。

次の瞬間ばけたんが反応して、赤いアラームがピカピカピカピカと点滅している。

さすがにこれには驚いた。

その陽炎みたいな、ゆらゆらした物体は、コピー機の前からすーっと移動し始めて、俺の方に向かってどんどん近づいてくる。

ばけたんは相変わらず赤いアラームを点滅させてる。

ばけたんには、お化け退治ボタンっていうのがあって、赤いアラームが点灯した時に、それを連打するように仕様書に書いてある。

俺は迷わずそのボタンを連打して、こっちへ来るなと心の中で言った。

だがその物体はゆっくりとこっちに向かって移動してくる。

いよいよもう2〜3 M のところまで近づいてきた時、俺はとっさに、
「いい加減しろ!さっさと帰れ!仕事の邪魔すんな!」と怒鳴ってた。

するとそのモヤモヤしたものは、
すーっと消えてなくなった。

一体その物体が何だったのか今でも謎のままだが、物体が消えると、ばけたんの反応も止まった。

不思議な現象だった。


このばけたん、結構お客さんウケ良くて、打ち合わせの時なんかも、合間に出しては、こんなものがあるんだよなんて言うと、ちょっとウケを取ったりした。

それであるお客さんが、そのばけたんを触った途端、急に赤いランプが点灯し始めた。

この赤いランプだがめったに点灯しない。
しないからこそ俺がビビったわけだから。

それがこのお客さんが持ってる最中ずっと点滅してた。

不思議なこともあるなぁと、よくよくお客さんに話を聞いてみると、そのお客さんは多少の霊感があると言う。
お客さんより、その奥さんがすごく敏感な人で、妖精が見えるとか、樹木と話ができるとか言ってるらしかった。

そうした影響で、自分も次第に不思議なものを感じたりするようになったと言ってた。

それでそのばけたんを貸してくれと言ってきた。
ひとつしかないから貸したくなかったが、お客さんだから断れないので貸した。

お客さんはそれを家に持ち帰って、奥さんに試したところ、赤いランプがつきっぱなしだったらしい。

やはり何がしかの霊を呼ぶ人は、自分の周りにその霊が取り憑いてて、ばけたんが反応してしまったのかもしれない。

なんとも不思議な経験だった。


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