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吹奏楽 音楽の価値観 2  吹奏楽の話し10

吹奏楽 音楽の価値観 2  吹奏楽の話し10

吹奏楽の話で語る内容では無いかも知れないが、その2の方を簡単に書かせてください。

まず、詩や短歌について、音楽とは関係ないですが、少し語ります。

短歌は世界でも類を見ない短詩形で、ここまで短い文体に、ものすごく深い内容を盛り込ませています。

ちょっと解説すると、よく知られた小野小町の和歌で、

花の色は うつりにけりな いたづらに
わが身世にふる ながめせしまに

意味は、桜の花の色は、むなしく衰え色あせてしまった、春の長雨が降っている間に。ちょうど私の美貌が衰えたように、恋や世間のもろもろのことに思い悩んでいるうちに。

ここでは様々に言葉を掛けてあるので、より内容が深くなります。
花…とだけありますが、これは桜の花を表していたり、女性の美しさにもかかってきます。

うつる…ここでうつるとは、色が抜けて褪せていく、すなわち衰えていくを表しています。

世にふる…世は、男と女の関係、降るは雨が降ると古いを掛けていて、雨が降っている様子と、自分が年老いていく事をかけています。

というように、ここまで深い内容をこれだけの文字数に詰め込むことが、いかに大変かわかると思います。


それで、次はハイネの詩です。
  “なみだより” ハイネ

なみだより   
花はもえいで   
ためいきも    
しらべとぞなる  

情あらば
花をおくらむ
まどべには
うたもうたはむ

日本語訳がすばらし過ぎるものです。
なんとなく理解出来ると思いますが、この涙よりだけで、これまでずっとあなたを思ってきたのに…とわかり、最後の調とぞなるで、恋が実ったとわかります。

このまどべとは、私訳としては、家庭を表していると解釈しています。


それで、俺はここで言いたいのは、短歌や詩には空白がありますが、それは何かという所です。

それは、その空白にも、実は最初は言葉がぎっしり詰まっていた部分なんです。
つまり、まずは文章で長大なものを書いたとします。
それを必要な部分だけ吟味し、さらに圧縮したものが短歌であり詩なんです。
だから、まずは詩を書くときには、書きたい事を文章で余す所なく書く事からはじめ、それを濃密にしていくわけです。

俺が過去からSNSの自称詩人に対して、疑問をもってきたのは、ほとんどがそれをわかってない、ただの文章のぶつ切りにしただけの、いい加減なものだからです。
まあ、自分のところで書く分は自由ですから、その人達に直接意見を言ったりはしてませんが…

ここからが本題ですが、こうして苦心して、何日もかけて作った詩や短歌を、プレゼントされたとします。
大体はありがとうで終わってしまいます。
(要らないよって言う人もいるかも知れませんが、それは除外で)
なんででしょう?

それはものの価値観によるものだと俺は思います。

もし詩でなく、プレゼントのケーキを作ってきたよって話だったらどうでしょうか?
おそらくは、言葉だけではなく、この前ごちそうになったからなんて、何かお返しをもらったりする事だってあるかも知れません。

それは音楽も似てる所があります。
詩も音楽も、作るのに大変時間がかかるわりに、読むのも聞くのも、あっと言う間です。
そして、詩は紙っ切れ1枚、音楽に至っては、実態すら目には見えません。

だからそれらは過小評価され、ごく一部のきちんとそれを実態として認識出来る人にしか、本当の価値はわからないのだと、俺は思います。

あなたの為に作った詩が、どれほど心を込めて作ったものか、本当は原稿用紙10枚の文章を書いて、最終的に8行くらいの詩になったのかも知れない。
何時間もやり直しを繰り返して作った、音楽かも知れません。

それが伝わる伝わらないは、受け入れる側の責任でもあるのだと俺は思うわけです。

すなわち、音楽でいうならば、ある程度の水準まで鑑賞する能力が備わっている事。
詩でも同じ事です。

俺は以前この話をしたら、純粋につまらない詩、つまらない音楽だったのだから、無反応で仕方ない。
そんなものにお礼などするかと言われたことがあります。
むしろ、お世辞でありがとうと言ってくれただけ、ありがたいだろうと。

言った相手の事はわからないから、本当に知識があって言っていて、そうなのかも知れない。
それならそれで俺も、やっぱ芸術って恵まれてないんだなと、さらに納得するところです(笑)

まあ実際、詩人の友達とそんな話で一杯やった事がありますが、俺たちは一生誰にも、心から感謝もされずに、人生が終わるんだなって話したことがあります。

正直俺も、理解してもらうのは不可能だと、半分投げてますから。

しかし、なんとなく詩の、あの得体のしれない空間については、理解してもらえたら幸いです。

ちょっと吹奏楽の話から逸脱し、すみませんm(_ _)m


今日の吹奏楽曲は、バッハの名曲のアレンジ
無伴奏ヴァイオリンパルティータ「シャコンヌ」(2015年 磐城高校)




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