一夜明けて今日の夜勤。
昨日社長と面談してからすっかりやる気をなくして、結局は遠くの支所へ飛ばされるって言う事なのだから、六十歳で首を切るのはナンセンスだと言っても、それは体裁だけで、実のところ俺は、居なくなってもらいたい部類の一人なのだ。
まあそれで今日もすっかり、やる気をなくしてるわけだけど。
昨日うちの日勤から引き継いだ夜勤で、灰の搬送コンベアが停止して、詰まった灰の除去を行ったと、引き継ぎ日報にあった。
含みもあるかも知れない。
日勤の昼間は夜勤と違い、人が多いから、その時間にやっておかなかったのか?って無言圧力。
昨日は社長の件で、みんなそんな話をしていたから、週間作業は、絡まった異物などの除去作業だったが、特に異常がなかったので、週間作業はなかった。
灰の搬送コンベアも、一度止まったきりで、後は正常に動いていたから、特に気にもしなかったわけだが…
そのまま夜勤に引き継いだが、そこでコンベアが停止したという。
それで今日の夜勤が始まってからメンバーが、昨日週間作業がなかったから、コンベアの若干詰まった部分だけでも、取っておけばよかったかな…なんて話になった。
中心となって話していたのがKさんだから、口先では言っても、絶対自分が積極的に動くはずがないんだけどね。
それでとりあえず俺は班長手当をもらってるし、言っても嫌なお顔されるだけだから、一人で点検口4つ分の清掃を行い、灰で埋まって動かなくなっていたローラーが、回り始めるのを確認した。
この作業の前にサンプルの採取を行ったが、何だか振動音が聞こえて、俺が耳鳴りでもしてるのかなと思った。
音の方に近づいてみると、バイブレーションが停止する気配もなく動いてる。
パネルを開けて中を確認すると、自動間欠運転のはずのバイブレーションが、手動で連続運転となっていた。
通常このスイッチは灰の出が悪い時に、強制的にバイブレーションを実施して、サイロから灰を、ふるい落とすのに使って、終わったら当然自動に戻しておくべきもの。
まずは誰がやったのか?となり、最終的にその装置を点検した人間の名前が点検表に記載されているのだが、それが Bの班のC だった。
またCだ。
途中で忘れてそのまま。
この前は汚水ポンプの運転したまま帰宅。
今回はバイブレーションを手動にして運転したまま帰宅。
一体どういうことなのか?と思う。
それをメンバーに話したらメンバーの一人が、もしかしたらそれはCじゃなくて、その前にBが点検してるから、B が手動にして、そのままにしたものを、C がわかってて、シカトしたんじゃないかと。
なるほどそれは大いにうなずけることだと思った。
C は自分のことしか考えていないし、ここに来てから積極的に仕事をしようという姿勢もない。
要するにこの男も、両手に荷物を持っている人間が、扉を開けられないでいても、それを見ていながら、われ関せずという人間なのだ。
気配りのかけらもなく、さらに思いやりもない人間。
ただ俺のように、上司や同僚に噛みついたりしないものだから、穏便に静かにやっていてさえくれればいいよという、ここの悪い風習の中で、黙認されている。
一般的な社会でいう、居ないよりはまし…という人間と言ったらいいと思う。
実はこのCは高校時代、所長と同級生で、なんと同じクラスだった。
どんくさくて女子に散々からかわれていたらしい。
それが C の話を聞くと、バイクで随分走り屋をやっていて、レースにもチームに入り参加していただと言う。
現在も単車を乗り回してるって話で。
俺がちょっと遠くで聞いた話では、首都高を200 km以上で走り、暴走族の集団を抜いて、追いかけられたが振り切っただとか、そんな武勇伝の話を散々振っていた。
そして極めつけが、鈴鹿サーキットの帰りに、大事故を起こし、記憶喪失となり、事故を起こした記憶さえないという話。
この事故が、俺が言ってる高次脳機能障害の事。
色々とこの男の話を聞いても、話が大ぶり過ぎて、聞くのは半分でというところ。
要するに、聞いていて自慢話だけで、最初から終わりまで落ちもないときたら、つまらなく、信憑性も、信用度も低く感じる。
この職場に共通するのは、自分の話しかしない奴らばかりで、他の人が話をすると、そっぽを向いてスマホをいじりだしたり、とんでもない自分本位の連中。
Cもほとんど同じ。
他の人の話を聞いて、相槌を打って、よかったねだとか、褒めてたりする人は、ほとんどいないということだ。
もっともこの俺も、こいつらの自慢話のオンパレードを聞いていたら、嫌気が差して、合いの手も入れられなくなったが💦
話を戻すが結論から言うと、またB班がやらかしたよっていうことなんだよね。
俺がそのことを穏便にノートに書き込んだと、メンバーに言うと、うちの班の先輩だって、きちんと記載とかしないから、そんなこと書けばまた逆恨みされて、こちらのあげ足を取られるだけだ…みたいな話もあった。
何か言われたら、班長がさらに色々文句を言ってたぜと、言っていいからと、俺がみんなに言った。
どうせ俺は1年待たずして、遠くへ異動になることは確定で、そうなったら辞めるしかないからね(笑)
この期に及んで、いくら恨まれても別にいいやって事でさ…
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