昨日の騒動があってかなりくたくただったが、 翌日の夜勤は最後の休憩で比較的長く休憩できるから、よかったかなと思った。
この日は翌日の 29日朝に、 灰の1次貯留槽を工事すると言うことで、業者が入るから、それまでに貯留槽の中の灰を、全部出し切っておくように指示があった。
先輩とかKさんに任せてたら、いつまでたったって灰が出ないだろうと思ったので、俺が時間的な計算をして、手動でずっと出し続けてと指示をした。
よりによって朝方、 灰の搬出があって、産廃業者がやってくるから、それの立ち会いを先輩がやらなきゃならないしその灰出しも、最終まで先輩がやる。
ちゃんとやってくれるかどうかが心配だったんだけどね。
先輩が休憩で休んでいる間、 昨日の惨事をKさんに話すと、 どう考えても俺が見に行く前に、先輩が見たときには、すでに酷い状態だったんじゃないか?と言ってた。
この酷い状態を見つけて、自分が作業しないわけにはいかないから、知らない顔をして別の作業したんじゃないかと。
途中で手伝いに来なかったのも、そんな悲惨な作業はやりたくもないわけだから…と。
そう言われて、俺も先輩の態度がおかしかったことを思い出して、 やっぱりそうだったのかなと思った。
先輩は結構ずるいところがあるからね。
夜もメンバーで、この話になって、過去にこの詰まり除去作業をやったことがあるか?って話になって、 応援者はやったことがないと言う話だった。
俺らベテランは当然やったことがあるのだが、 この話になると先輩の顔色が悪くなる。
と言うのも先輩は1度ならず2度、3度までも、 灰の搬出装置の確認を怠りどん詰まりにした。
1度はそのどん詰まりを、休憩返上で手伝ったのが俺だった。
俺の口からその話をされるのが嫌だったんだと思う。
先輩のおかげで、確認表のあるものを上が作り。
表に点検項目を書かなきゃならなくなったりして面倒臭くなった。
ちょっとした問題があると、誰がやらなかったと犯人探しの材料にもなってる。
先輩はこうした表が、自分のせいで作られたってのに、なおかつそんなものは見に行かなくていいと、怠慢な作業を続けている。
困ったもんだと思う。
とりあえずは順調に朝まで灰が出て、 貯留槽が空になるだろうことを確認して、先輩にまかせて俺は午前4時半からの休憩に入った。
やっぱり嫌な予感がしたんだよね。
それで仮眠する前に先輩に、何かあったら起こしてくれと一言言った。
言霊かよ…と。
それで、まだ6時前に、枕元に置いておいたスマホが鳴って飛び起きた。
先輩からだった。
産廃業者に積み出した後ゲートが閉まらないとの話。
リミットスイッチが固着してるので、 土日の修理メニューの中にそれを入っていた。
とりあえず最近調子が悪いのでみんな回避の仕方はわかっている。
トラックの上に設置された灰をためるタンクの扉は、 開いてタンク内の灰をトラック荷台に落としてるので、灰が舞ってリミットスイッチに固着。
5メートル上のほうにリミットスイッチがついてるから結局2階から長い棒を使ってリミットスイッチを叩いて、 1階の操作盤のランプを確認しながら、 0ポジションにもっていく。
先輩はそれをやったと言うのだがダメだと。
仕方なく寝起きでボケッとしてたが、 慌てて着替えて現場に出て行くと、やってはいるが先輩は、リミットスイッチがどこが0ポジションだかわかってない。
なんでこんなこと知らないのかなと思った。
それで真ん中に合わせることを先輩に告げて、俺が1階の操作盤を動かして、何とかゲートを閉めた。
この作業やってる時に、焼却炉の温度が急激に下がって、クレーンにいたKさんが、心配になって降りてきたのだが、 なんと自分にも電話があったと言う…
それは俺は責任者だけどさぁ、 あんた達で出来るんだったら寝てる人間を起こすかよ…
Kさんだって、 もっと早く来てくれたら俺が起こされなくて済んだ。
面倒なことには関わりたくないって言う姿勢が、Kさんからはにじみ出ているからね。
先輩は頼みたくなかったんだろう。
それから、開閉確認を俺が行った。
それもKさんは、一次貯留槽が空になっていると、ゲートが連動しているので、確認できないなどと言っている…
むずかしい話なので説明はしないが、ブレーカーを落として確認すれば確認できない事はない。
どうして知らないのかなと思った。
17年のベテランだと豪語してるのにね。
それで制御室に戻ったがもう寝る気にもならないし、一時貯留槽の中身を全部出したんですか?と話をしたら、なんと先輩は、まだ出してませんときた。
あまりに酷い。
積み出しやってたから、トラブルもあったし、 それで作業が中断しただとか…
そんなの理由になるか。
2-3時間で終わる作業だから、積み出し業者が来る前にはとっくに終わってるはずでしょ。
いったいこの人は何をやってたのか?
文句言っても何の解決にもならないから、朝までは時間がないので、俺が中身出しておくからと肩代わり。
制御室を見たら、お茶と先輩が読んでいる本が置いてあって…まったくさ、仕事やってるのかよ?と言いたかった。
張り出しを完了して俺が戻ってくると、現場の操作盤を、初期設定にしておかなきゃならないので、それもやってない事がわかってたから、作業に行くと先輩に告げると、最後の灰の運搬があるからと言うので、先に先輩をその作業へ行かせた。
制御室にある計器の1時間毎の記載をする日報をみると、なんと、最後まできちんと書かれてない。
まじほんとに頭にきた。
この人は仕事しないで寝てたのか。
俺が慌てて残りの記載を全て記入して、その他に多数の漏れがあったのでそれも追加。
こんなじゃ仕事にならないでしょう。
情けないなと思った。
休憩してる人間のことたたき起こしておいて、さらに自分がやらなきゃいけない作業を、怠慢でおざなりにし、俺に押し付けて、最後の最後までこれかよと思った。
基本的に、自分本意な人なのかもしれないと思った。
あまりにも酷いよな…