ブリブリの日常的な感じ

日常の自分を綴る

唯一まともな人

唯一まともな人

ここ8ヶ月の新人S君は、元請け会社からの派遣なのだが、B班へ最初から配属された。

最初の1ヵ月は、各班で教育のサポートをしてて、俺の班に回ってくることがあった。
うちの班はベテランぞろいだが、中でも俺から教わったのは、大変わかりやすかったと今でもよく言ってくれる。

Bにはそういう事はあからさまに言えないし、空気を読んで気を使いながら仕事が出来るS君だから、こんな会社にわざわざ来なくても、よかったんじゃないかなと思うし、この低レベルだったら、すぐに出世するだろうと思う。

この前の夜勤応援で、S君と少し話す時間があり、ぶりぶりさんが60歳前に、稼働準備要員からはずされ、ここに残らないと言う噂を聞いたが、本当なのか?と聞かれた。

本当だと答えた。
S君はかなり憤ってて、この職場で1番2番に仕事ができる人なのに、外される理由はないと言ってくれた。

なかなか、そんなふうに言ってくれる後輩はいない。
嘘でも、言ってもらっただけ感謝だよ。

この前の1号ホッパーに間違ってゴミを投入してしまい、その件で各班全員に、俺が謝罪したことについても、誰でも間違いがあるんだから、自分としてはそんなのいいよと思うのに、ずっと年下のメンバーにも頭を下げて謝罪して、この人は本当に立派な人だと思った…と言われた。
ちょっとてれた(笑)

自慢するわけじゃないけど、1人でもこうして俺の気持ちや、姿勢を汲んでくれる人がいて、謝罪した甲斐があったと思う。

なおも、他の人間は装置を壊しても謝罪1つしないし、それどころか自分が壊したのに、自ら名乗りでず、後で明らかになっても、なお知らないふりをしている。
この職場は卑怯な人ばっかりだと言っていた。

S君も、ちょっとまっすぐなところもある。
この職場のように、上司にごますってたら、優先的に教育に行かせてもらえるなど、実情も多分わかってきてると思う。
正義を貫きすぎると、俺のようにアウトローになるし、次元が低いところだから、やがて居場所がなくなる。

そうなっては、欲しくないなと思う。

積極的に仕事をして、遅刻欠勤もなく、困っている人がいたら手を差し伸べて、円滑に作業をまとめようとする。

この職場では、かろうじて、唯一まともな人なんだと思う。