27日の日勤はKさんが休みで、代わりにBが来ていた。
休みの人がいるとローテーションの変更がある。
とりあえず応援に来た人間の希望優先で、何をやりたいかってことを聞いて持ち場についてもらう。
Bがクレーン担当からやりたいと言ってきたので、本来クレーンだった先輩が灰の運搬作業になった。
この時俺が心の中で良かったと思ったんだよね。
それがそもそも駄目だった。
灰の運搬作業の人は、今日はローダー(重機)のグリスアップもあって、結構これがめんどくさい。
先輩に制御室からやりますかと一応は声をかけたが、先輩が灰でいいよと言ってきたので、 多分先輩はその時に、ローダーのグリスアップだったことを、知らなかったのかもしれない。
後で知り、言った手前引っ込みがつかなくなった…って感じで、それでおのおの行くことになった。
これが運命を分けたんだよ。
よかったどころか、とんでもない目にあうことになった。
この朝は週末に焼却炉が止まるので、その間何をするかって話やら、他にもいろいろな込み入った話があって、朝から制御室で立て込んでいた。
日々書かなければならない書類を揃え、 おおざっぱな記載などをしておかなければならないし、 そうした準備一式を全部俺がやったのだが、 そんなこんなでかなり時間がとられた。
特に上司とあだこうだしゃべっているうちに、 時間がどんどん経過していって…
実は1時間に一回 状況確認しに行かなければならない、灰の搬出装置があった。
これが以前はたまに停止してたので、 そんな感じで確認しに行ってたのだが、 忙しさにかまけてこの日はなかなか見に行くことができなかった。
確認表を見ると8時に、前直がいったん確認している記録があった。
制御室の1回目の計器記載を終わりにして、 次長が応援で来てくれたので俺が施設の点検に行くことにした。
その時間が9時半ちょっと前だった。
とりあえず杯の搬出装置の事は、 実はなんとなく気にはなっていた。
軽度忙しさにかまけて後回しにしたわけだ。
それで点検に行くついでに、まず灰の搬出装置に立ち寄ると…
とんでもない光景が現れてた。
灰を送り出すコンベアが停止し、 しかし他の装置はそのコンベアへ灰を送ろうとしてから、 結局その部屋が灰で溢れてしまっていた(汗)
地獄絵図みたいな感じ…
とりあえず装置を緊急停止して、しばし呆然とした。
本当にこんな事、年に1度も起きないことなのに、 この日に限ってコンベアが動かなくなっていたなんて…
しかし悪いことって予期しない時に起こるもんだよ。
とは言え、朝から途中で何回か、見に行かなきゃなぁ〜って思ったんだよね…
それが、見えない力が俺に、働きかけてたものだったんだな。
つづく
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