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温泉地での幽霊体験

温泉地での幽霊体験

温泉地での心霊体験

この話は温泉地へ仲間達と行った時、1人が体験したことから起こった出来事。

それは22、3歳の頃の時だった。
高校の吹奏楽の同期で、確か茨城県の袋田へ行った時の話になる。

高校を卒業して、散り散りになった仲間が、久しぶりに集まろうということで、就職したやつの会社の契約旅館で、安く楽しもうということになった。

実際この旅行の話が出たのは、同期会を開催しようか?と、飲み会をやった時に勢いで出た話で。

当時俺は横浜に住んでて、腐れ縁なのか今も付き合ってる親友が蒲田にいた。
一番遠い俺は横浜から、一旦蒲田で友達と待ち合わせをして、そこから電車を乗り継いて勝田まで行き、勝田で友達のワゴン車に乗り、みんなで袋田の滝を目指すことになった。

行ったのは全部で6人だったと思う。

常磐線に乗り換えた段階で、電車に乗ってるうちから俺と友達はビールやら日本酒やら飲んで、勝田までの長旅の間にはすっかり酔いもまわっていた。

出来上がった俺たちは、ワゴン車で騒ぎながら、一同袋田の滝をめざした。
ああでもないこうでもないと、昔の吹奏楽時代の話は尽きなかった。

夕方旅館に到着した。
旅館に着いて、備え付けのお茶を飲んでから、さて、夜の宴会の前に酔い覚ましで、ひと風呂浴びてくるかと、みんなで風呂にいった。

その旅館は川べりに建っていて、風呂は内風呂と露天風呂があった。
露天風呂は川の流れが聞こえるくらい、その川のすぐそばにあって、とても景色がいい感じだった。

いかんせん露天風呂までの階段が長く、露天風呂を見つけた時は、やった〜と思ったが、そこへ至るまでにかなり疲れたのを覚えている。

みんなでワイワイガヤガヤと露天風呂に入った。
露天風呂には裸電球が一個、中心に吊り下げてあるたけで、かなり薄暗い。
そんなに広くない露天風呂だったのたが、川の流れも見えて、結構いい感じだった。

風呂から出た俺たちは、早速宴会に入り、また浴びるほど酒を飲んだ。
宴会は部屋に戻ってからも続き、2〜3時間やっただろうか。

ちょうどそんなバカ騒ぎの宴会が終わろうとしている時だった。
気が付くと外は雨が降り出してた。
しかも雷が鳴り響き、雨音がものすごかったので、窓の外を見ようとカーテンを開けると、窓ガラスにものすごい雨粒が打ちつけていた。

こんな雷雨の時に、露天風呂なんて面白そうじゃん?
一人がそんな事を言だして、それはいいな~と、皆んなでまた露天風呂へ向かおうとした時の事だった。

わー!!
と、一人が叫び、血相を変えて
座ってた場所から部屋の隅まで飛び退いて来た。

とうした!?
皆がそいつに聞くと、 部屋の浴衣の収容タンスの扉が勝手に開いて、内側から扉を掴む白い手が見えたって話だった。

この部屋に幽霊がいるのか?

だいたいにおいて、幽霊の話となっては俺の係となる(笑)
みんながビビって後ずさりする中、俺がこのタンスに近づいて、タンスの中を色々とみた。
が、御札も張ってないし、特に変わったところはなかった。
ここであーでもないこうでもないと、みんなで幽霊話をすることになる。

この部屋は大部屋で、6人部屋だったので、6人で寝る予定だったのだが、今度はその寝る場所が、タンスに近い位置を誰にするかでもめ始めた(笑)

結局俺がタンスの位置で寝ることになったんだけど…

そのブルってたやつは、確かに幽霊の手を見たって言うし、この部屋じゃ寝たくないと大変だったが、一番離れた位置に寝た。

幽霊騒動から一段落して、すっかり露天風呂に行くのも忘れていた俺たちだが、 夜もかなり遅くなってきてて、気を取り直して露天風呂へ行ってみることにした。

窓の外を見たのだが、もう雨はすっかり止んでいた。

ビビってるやつは風呂は暗いから嫌だと言い、一人残しておくわけにもいかず、留守番で2人残し、露天風呂に行くのは4人になった。

さて露天風呂の場所へ向かって、また長い階段を登っていったのだが、どうも露天風呂の所についていた、薄明るい電気が消えている…

あれ間違えちゃったかな、 露天風呂は別の場所だったかな?と一瞬思った。
しかしこの長い階段は見覚えがある。
もう少し奥まで慎重に進んでみることにした。

すると、さっき自分たちが入った露天風呂付近のところに、赤いコーンが立っていた。
そのコーンに何やら張り紙がしてある。

暗いのでよくよく見ないとわからなかったのだが、近づいて見てみると、
「露天風呂は川の増水のための、浸水し使えません…」
と、書いてあった。
そして露天風呂には、何やら汚い草木が浮いていた。

さっきの雨で増水した川が、この露天風呂を流してしまった…というわけだ。

なんだ残念だなと思ったんだけど、でもよく考えてみると、どうもなんとなく命が救われたんじゃないか…と感じた。

あのとき、俺達が幽霊騒ぎとかで時間を潰さないで、そのまま雨の中を露天風呂に浸かっていたら、もしかしたらみんな、増水した川に流されていたかもしれない。

タンスの中にいた幽霊は、本当に現れた幽霊で、俺たちに露天風呂が危険なことを知らせるために、わざと出てきて、足止めをしたのかもしれないと。

流された露天風呂を見て、呆然と俺たち四人は立ち尽くし、部屋に帰ってそんな話をしたっけ…

何とも奇妙な体験だった。