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クラシック音楽から吹奏楽へのアレンジ2 吹奏楽の話45

クラシック音楽から吹奏楽へのアレンジ2 吹奏楽の話45

前回はついつい脱線してしまったが、オーケストラから吹奏楽へのアレンジについて、話をしようかと思う。

まずこうした作業をするためには、基本的なオーケストラの知識を有していなければいけないのは、言うまでもないが、特に管弦楽で使用する主な楽器以外に、吹奏楽で使用する重要な楽器がある。

吹奏楽の楽器と楽器編成について、少し説明したいと思う。

まずフルートとしては、ピッコロが管弦楽より頻繁に使われることが多い。
これはバイオリンの高音域をカバーするためにも必要。

次にオーボエは、吹奏楽では大体二本+コーラングレという編成になるが、理由としてはやはり楽器の入手によるものではないかと思う。
オーボエファゴットといった2枚リードは、演奏するにも難しく、高価であって、それを演奏するためのレッスンも含めて、なかなかどの団体も保持するというわけには、行かなかったのではないかと思う。

昨今では、スタンダードに楽器が用意されることを想定して、オプションでのオーボエパートというのは、少なくなってきている。

ファゴットオーボエと同様に、用意するのが難しいよ団体もあるかもしれないが、昨今ではスタンダードな楽器として用いられる。
時にコントラファゴットも用いられる場合がある。

クラリネット属は、Esクラが高音域をカバーするために必要で、スタンダードで用いられることが多い。

B♭クラリネットの場合は、バイオリンのパートを受け持つ形になるので、大人数で使用される。
通常は複数人で、ファースト、セカンド、サードと三つに分けられる。

その他に中音部を受け持つアルトクラリネットと、低音受け持つバスクラリネットが用いられる。
木管だけで低音をより厚い層に構成したい場合、コントラバスクラリネットが用いられる場合もある。

このクラリネット属は、全体でひとつのハーモニーを構成する形になっていて、これがオーケストラで言う弦楽五部に当たる。
作曲家はこれらを考慮して作曲することが多い。

そしてオーケストラであまり見かけないのはサキソフォン
吹奏楽では中音域を担当する。
サキソフォンは最近では、ソプラノサックスも使用されるケースがあるが、基本的にはアルトサックスが2本と、テナーサックス、バリトンサックスの4本。
これらもこのパートだけで和声が構成されることになる。

このサックスパートは、金管木管の橋渡しのような役目も担っていて、例えばその音色と音域の特性から、オーケストラで言うビオラやチェロのパートを担当したり、あるいはホルンの厚みを補ったりと活躍する楽器。

オーケストラのスコアでは、ここでポルンが金管のスコアの先頭に書かれるのだが、吹奏楽ではトランペットが先頭に来る。
少し前の時代の吹奏楽の編成では、コルネットが主体として使われていたが、昨今ではトランペットが主体となっている。

吹奏楽コンクールの課題曲で、ジェイガーが作曲したジュビラーテなどは、コルネットとトランペットを選択する形で、4本必要であったりと、作曲家の好みで書かれていたが、最近はトランペット3本が主流である。

ホルンパートは通常の F 管のホルンを主体として、だいたい4本の構成。

金管のバランスとして、トロンボーンは通常の3本の構成で音楽によっては、バストロンボーンが追加される。

ユーフォニウムは、オーケストラではあまり使用されないが、吹奏楽では音色の特性から、チェロの代わりに使われたりと、旋律から伴奏まで幅広く活躍する。

そして低温を担うのはチューバとコントラバス

弦楽器のコントラバスがなぜ使われるのか、きちんとした理由は俺もよくわからないけれど、金管楽器と融合性があり、低音の奥行きが広くなると聞いたことがある。

実際にチューバでは表現できない、コントラバスのピチカートの音などは、アクセントが必要な場合などに効果的。

その他にピアノやハープなども用いられるようになった。
こちらも金額的に高価であり、演奏者も限られることから、なかなかどの団体も用意できるというわけにはいかないだろうが、音楽としてはオプションなしで譜面がかかれる事が多い。
代替えとして、シンセサイザーなどを用いて、音が作られたりするケースもある。

打楽器に関しては管弦楽とほぼ同じだが、スネアドラムを多用する傾向がある。

打楽器は特に、音楽の抑揚表現で使われる。
吹奏楽は、なだらかな強弱があまり得意ではないので、それを補うために、打楽器が活躍するシーンが多い。

これは余談だが、伊福部昭さんの管弦楽法には、打楽器の力に頼って、音楽の抑揚表現をするのは好ましくないとある。

俺もそう思う。
オネゲルのように、打楽器を全く使ってない曲をたくさん書いてる作曲家もいるし、その作品はまるで打楽器があるかのような、錯覚をするくらい打楽器がないことに気がつかない。

こちらの話を詳しく説明するには、紙面がかなり必要なので、今回は割愛する。

とりあえずこの回は吹奏楽の楽器の説明までにとどめる。


この紹介したRシュトラウスドンファン吹奏楽版を載せておきます。